壮大ないのちのエネルギー💗生と死の意味を宿しながら

聖の青春,大崎善生講談社文庫


本棚にずーっと開封されずに置き去りにしていた本.

 自分で買った本には,かなりの思い入れがある.

  同様に他者からいただいた書にも何かしらのこだわりを持っているらしい.


本書は,愛する人からいただいた本である.

喜びも束の間,私には

 本のタイトルにも,

  著者にも

   その方の

    贈り物としての意味は

     まったく腑に落ちなかった.


いつか読もうと,本棚に飾っていたのである.


急に読むことを思い立ったには,いくつか理由があった.


その一つが

 新型コロナワクチン後の

  強い副反応に襲われたことであった.


急に襲ってきた頭痛は

 頭の周りをリニアモーターカー

  周回しているかのうよう


灼熱の炎天下を

 何往復したかのような

  びしょ濡れの枕やシーツ


熱病に見舞われ,

 挫けそうになった

  絵も言われぬ気持ち悪さ


一晩経って

 少し楽になった頃

  寝られずに

   手持ち無沙汰となった


本を読みたい!

 強い衝動が私に

  近づいてきた


そして

 本棚を覗く


そうだ

 あの本を読もう!


村山聖

 将棋界の怪童

  耳にしたことがあるがよく知らなかった.


ネフローゼ

 腎臓をはじめとする代謝性の内部疾患


幼児期に発症し,

 多くは短命


私の通う学校にも

 数名いた


仲の良かった友達もいた

 小学校の時に急に転校して

  とても寂しい思いをした


中学校になったらまた転校してきた

 少し太ったように見えたが

  明るく楽しい友人との再会は

   実に嬉しいものだった


でもまた翌年には

 転校してしまった


お父さんの仕事の関係,

 と先生や親は言っていたが,


友達の転校先は,

 実はすぐそばの病院,院内学級

  そのことを理解したのは

   大人になってから


底抜けに明るい彼らが好きだった


いつあっても元気・勇気・活気をくれる存在


そんな彼らも

 聖君のように

  生きることのつらさや

   死ぬことの怖さを

    感じながら過ごしていたのだろう


さよならを

 言えなかったこと

  ありがとうを

   伝えきれなかったこと

    ずーと一緒だよ

     僕の中に君がいるよ,と!


さて


本書の聖くん

 末っ子で家族みんなから愛されて

  でも我が強く,わがまま,甘えん坊

   どこにでもいるような可愛らしい子

    そんな子が不治の病と戦うことになったら


これまで

 聖くんを紹介していたいくつかの記事は

  同世代の羽生名人との対比した努力家としての紹介文


本書では,

 幼少期からの

  自我のとても強く

   生きる力が溢れ出ている

    素敵な存在を


そして同時に

 自分の生の限りを

  日々認識しつつ

   その実感に帰去する

    十分に考えぬかれた人生設計


でも彼一人では成しえなかった

 成功譚の数々


彼の周りには

 彼を愛する父や母,そして兄,姉の存在

  そして親戚

   父の行動力と母の一貫した強い愛


そして師匠

 将棋仲間

  サポートするマスコミ関係者

   近所のおじちゃん


これは彼の青春物語だけど

 彼だけじゃない

  周りの誰一人としてかけたら

   成しえなかった偉業

    このことに聖くんも気がつき,ともに成長する一過程.

 

そして華やかさの裏側で人生をかけた熱き思いがほとばしる世界.


本書は映画化され多くの人たちにその生き様が紹介されています.


聖くんの人生を余すところなく映像化されたように見受けられます.

 

たぶんこれらの記述や映像化は,


 特に映像化されたものは,


  客観的に彼の人生を十二分に表していることと思います.

 

でも希望として目や耳にしたいことは,

 

 彼自身が語った,書いた


  人生の道のりと,その意味だろうと思います.

 

彼は人生の道半ばでこの世を去りました.

 

もし今生きていたら


 どんなことを語るか⁉︎どんな言葉を残すか


  とても興味深いものがあります.

 

AI将棋の隆盛は❓


 史上最年少の王者は⁉️


  そして彼らとライバル羽生さんの戦い‼️


聖くんなら


 何を語るだろうか.

 

愛するあなたへ

 この本を読んで良かったと実感しています.

  お礼と感想が遅くなりました.ありがとう😊

 

さて皆さんも
 チャンスがあれば

  ぜひ本書をお手をどうぞ📘