Admiring his prodigy abilities🎹📚want to act like him🌃♪

おわかれはモーツァルト,中山 七里,宝島社文庫

今日は真冬のようなとても寒い一日.

遠く出かけた先では,
 朝から降り続いていた雨が
  みぞれ,そして雪が舞い,
   寒さに凍えてバスを待つ私には
    迎えに来てくれる雪そりがとても待ち遠しいひととき♪

~ Die Musikalische Schlittenfahrt,Mozart, Leopold ~

どうやら季節の主は,
 雪をなびかせる風たちとともに,
  春を待つ私たちに,
   もう少し冬を楽しんで!
    と囁いていたのかもしれません.
~ String Quartet No.14 in G major "Spring".Mozart,Wolfgang Amadeus ~

ところで,上記の楽曲は
 最近,私の耳に残っているもので,
  父レオポルド・モーツァルトの「そりすべり」と
   息子アマデウス弦楽四重奏曲第14番「春」k.387です.
    とても素敵な作品たちです.

モーツアルトは,
 初めてクラシックに出会ったときに
  私も好きになった作曲家の一人です.

彼の作品はまだ少ししか味わっていませんが,
 そのうちいくつかの楽曲は
  ぜひフルートで吹きたいなあと思っています.

さて本書は,new year's sale で購入した一冊です.

視力に障害のあるピアニストの主人公,榊場隆平さん.
 かの有名なショパンコンクールで上位に入賞.
  彼を支える母と,マネージャー,そしてピアノの師が,彼のサポーター.

彼のこれからの演奏活動の転機となるであろうコンサートを前に,
 あらぬ噂を掻き立て,彼らをゆすろうとするフリ―ライターの存在.

そこへ,この良からぬ輩の尻尾を捕まえようとお巡りさんが登場.
 その矢先に,遺体で発見されるフリーライター
  しかもその現場は,主人公のいつも練習している離れのレッスン室.


犯人は誰だ⁉
 この窮地を救ってくれたのが,
  共にコンクールを競った人物.

最後まで,
 ハラハラドキドキする展開に,
  思わず引き込まれてしまいました.

本書の魅力は,このシナリオだけではありません.
 モーツアルトピアノ曲のアナリーゼの見事さです.

一般的にはクラシックの楽譜に曲想がすべて織り込まれていないことが多く,
 この解釈が,演奏者によって異なることも,ライブで楽しむ大きな理由の一つです. 

視力障害のある主人公,榊場が
 楽譜を目ではなく,耳で聞いた音のつながりとして,
  どのように演奏するのかを表現している場面は,
   演奏する者にとって,
    とても参考となるものでした.

著者の中山七里さんとは,
 いったいどんな人なのだろうと,
  とても興味を持ちました.

彼は,この作品の前に,
 さよならドビュッシーから始まる,
  音楽を題材とした作品シリーズを手掛けています.

本書もその一つのようです.
 彼の音楽との出会いや造詣をぜひ伺いたいなあと感じています.

今年は,
 中山七里さんの作品をいくつか楽しみたいと思います.

ご興味を持たれた方は,ぜひお手にどうぞ(^^♪