もっと歌わなきゃ♪内田康夫「歌わない笛」

内田康夫,歌わない笛,講談社文庫.

 作品のタイトルにある笛とはフルートです♪
 この作品は浅見光彦シリーズの推理小説で舞台は岡山県の津山と倉敷と岡山です♪
津山は岡山県の北部で中国道にほど近く,倉敷や岡山は瀬戸内側にあります.
 物語のテーマは津山にある音大の卒業生フルーティストとその音大で働く婚約者が事件に巻き込まれる場面から始まります.
 当初,フルーティストが自ら命を絶ち婚約者がその後を追ったように警察が断定しますが,偶然凱旋コンサートで津山の音大を訪れていたヴァイオリニストがフルーティストのフルートの構え方が左右逆になって倒れていたことに気がつき,浅見光彦に相談します.(*装丁ではフルートを構えたフルーティストが左右対称に描かれています♪)

 このため浅見光彦はフルートのことをよく知らない人物を追い求めていきます!

 浅見光彦が謎を解き明かす中で,津山の音大の岡山への移転計画と倉敷での総合芸術大学構想を知ります.この中で同県内での大学と企業と政治が絡む複雑な関係を浮き彫りにしていきます.そして結末で事件の意外なホン星にたどり着きます.

 

 さて内田康夫さんがこの作品を着手したきっかけは奥様のフルートの演奏を聴いたことだったようです♪

 その時に「もっと歌わなきゃ」と感じたことがタイトルの由来だそうです.(*詳しくは,ぜひ著者自身によるあとがきの自作解説をご覧くださいませ!)

 そして舞台の背景として設定した岡山県には,元々伝統のある音大があります♪

 この音大は,はじめ津山に大学が設立され,その後に倉敷へ移転されたようです.このことが小説の着想につながったのだと思います.

もちろん実際の音大は素敵なところです.
 ところで前身の高校は現在岡山市にあり,昨年大活躍された笑顔がとても素敵なあの!女子ゴルファーがこの高校の卒業生だそうです.
 
 ということでFluteLoverの私は歌う笛を目指し音大へと夢見ているので,作品の内容だけでなくその舞台にも楽しませていただきました♪

 この津山から倉敷へ移転した伝統のある音大にも今後注目してみたいと思っています♪


 ご興味をお持ちの方は,ぜひご一読を♪