もしこの作品が,かの国名シリーズに含められたらなら⁉︎♪

日本庭園殺人事件,エラリー・クイーン,石川年訳,角川文庫.


国名シリーズのことを知ったときから,
 もし”Japanese Mystery “があったら素敵❣️
  と思っていました.


前回紹介した北村薫さんの
「ニッポン硬貨の謎:エラリー・クイーン最後の事件」は
  オマージュとして,

    そしてイコンとしての存在感.

     今回紹介するのは幻の一作と言える名著ものです.


本作はCOSMOPOLITAN誌に掲載された
 “Japanese Fan Mystery “

  私の期待していたとおりの素敵なタイトルです♪


「日本扇の謎」と訳されることが多いのですが,
  扇の意味で表す“Fan"として
   愛好家を表す意味で訳されたなら,

    素敵😻の一言です.


本書が国名シリーズなら記念すべき第10作目❗️

  だったかもしれません.

しかし

 残念ながら,改題され
  ”The Door Between “
   仕切り扉,隠し扉とでもいうべきか.
    このようなタイトルで発刊されています.

  でもこの命名もまた,

   本書のエッセンスを十二分に含めているような,

     素晴らしい表題と言えるものです❣️


国名シリーズは各国の名前が含まれています.
 自分の国が含まれていないか,気になってしまうところが,
  つい手にとってしまうきっかけになりそうです♪

日本での発刊では

 「日本樫鳥の謎」「日本庭園殺人事件」と

   なっていることはとっても嬉しい限りです🎶


国名シリーズの舞台は米国ですが
  それぞれの国の文化や習慣,歴史を

   とてもよく調べられていると感じます.


さて本書は,日本文化を愛した女性と彼女を取り巻く,
 フィアンセ,フィアンセの家族の愛と憎しみの物語.


物語は作家である主人公がかつて日本で暮らし,出会った医師との思い出,
 ワシントンで再会し,婚約までこぎつけるものの,

  何かお互いにミステリアスな雰囲気を醸し出す二人.

フィアンセは癌研究の権威で国際賞を受賞.
 これは💡毎年自国の研究者のノミネーションが気になる,

  そう,あの賞を彷彿させてくれます.


そして訳ありげなフィアンセとその養女との関係.
 その娘に好意を示す積極的いわば強引な医師.


主人公は作家で文学賞を受賞し,自宅の日本式庭園で祝賀会を開催する.
 そして社交界へのデビューを兼ねて,茶室で茶道でのもてなし.

  なんとも日本を愛好している様がとても心地良く感じられます.
   女中の日本人がその雰囲気を奥ゆかしく補完している,

     そのような文化的背景や習慣が本書を豊かにしています.


もちろん日本人から見れば,

 ことなりを感じないわけにはいけませんが,

  文芸であり,許容の範疇にあるでしょう.


物語は進み,フィアンセの養女は婚約することとなります.
 そして,これから義理の母になるであろう主人公に報告に行くのです.


主人公は作業中のようで,
 しばし部屋にこもっています.
   養女はその近の場所で,待つことにします.


しばらくぼーっとして過ごし,・・・

 ついウトウトと,していて,・・・
  その時,主人公の部屋の電話のベル📞🔔音がする❗️
   また鳴った. また鳴っている‼️
    なぜ出ないのだろう⁉️


やがて心配になって,
 部屋に入る.
  窓辺の床に血を流して倒れている主人公を見つける.
   窓や屋根裏部屋へのドアには鍵がかかっていて,
    これは,・・・,密室での出来事⁉︎


凶器と思われるハサミの片われ,
 気がつくと入り口に立っている怪しげな男
  窓に投げ込まれるつぶて,割れたガラス
   男は敵?味方⁉︎犯人⁇
    これからどうなるの⁉️
とても興味深いストーリー展開です.
 
実は私は読んでいて,
 最後まで謎が解けなかったのです.
  というか,300頁以上の本書を,
   あっという間に当日中に読んでいました.
     実に楽しい謎解きです.


鍵となるのは,
 扉,ハサミ,つぶて
  そして登場人物とその背景,
   加えて日本から持ち込まれた琉球カケス
     ・・・などなど.


本書には日本のことを紹介するような,文脈があります.

 武士道のような精神や西欧への憧れや崇拝するような観念.
  お互いの文化を知り,協調し歩み寄ることを願うような一節です.


この本が国名シリーズの含めれていたなら,
 暗躍する1930年代に世界の読書家たちが,

  お互いの国をより深く理解する契機となったかもしれません.


この本は現在我が国では

 電子書籍でを手にすることで容易に触れ合うことができます.
  古書や図書としても手に取ることができるようです.

 

素敵な本書を共有いたします❣️

  機会がありましたら,ぜひご一読を!